日本コーチング学会 会長 挨拶
筑波大学 教授 尾縣 貢
日本コーチング学会第36回大会を、2025年3月6日(木)・3月7日（金）の2日間にわたり、筑波大学筑波キャンパス（茨城県つくば市）において開催します。全国各地から学会会員の皆様をお迎えできることを光栄に思いますと共に、心より歓迎いたします。
筑波大学での開催は2014年の第25回大会以来となり、これで４回目となります。第25回大会は、「コーチング学の未来へ」を大会テーマに掲げましたが、それから11年という時間が流れ、その時に思い描いた、あるいは目指した未来が今にあります。そこで、本大会では、「コーチング学の進化 〜過去のビジョンと現状からとらえる未来への潮流〜」をテーマに、これまでの10年余りのコーチング学の進展を振り返るとともに、コーチング学の未来への潮流を皆様とともに考えていきます。
開催校である筑波大学は、1872年に日本で最初に設置された師範学校を創基とする、東京師範学校を前身とし、東京教育大学を経て、1973年に設置されました。「IMAGINE THE FUTURE」を開学の理念を象徴するスローガンとし、「グローバル・リーダーを育成する」「人類が共存共栄する世界の実現に向かって行動する」ことなどを目指しています。体育・スポーツ分野においては、東京高等師範学校の校長であった嘉納治五郎 氏の「精力善用」「自他共栄」の精神を受け継ぎ、教育、研究活動が活発に行われています。
また、コーチング学の研究としての発展、質の高いコーチ育成の必要性を強く感じ、国内ではいち早くコーチング学の博士課程（現在は、コーチング学学位プログラム）を設置したのも特筆できることです。このような東京高等師範学校から現在に至る流れの中で、多くの世界的なトップアスリートやそれを支えるコーチを多数輩出し、わが国の体育・スポーツの発展に寄与してきたという自負があります。多くの会員の皆様には、長年にわたり体育・スポーツの発展に力を尽くしてきた筑波大学に集い、新鮮な議論を交わし、情報や知見を得るとともに、志を同じにする多くの会員との交流を深めていただくことを願っています。
本学会大会を通して、日本コーチング学会が体育・スポーツの指導実践に関する科学的研究の発展に寄与し、体育・スポーツの指導実践に資するという活動の目的を果たしていくことを祈念いたします。
大会実行委員長挨拶
第36回学会大会 実行委員長
筑波大学 准教授 前村公彦
この度，第36回日本コーチング学会大会（兼 第18回日本体育·スポーツ·健康学会体育方法専門領域研究会）を筑波大学で開催させて頂くことに心より感謝申し上げます。
筑波大学は，2023年10月1日に，創基151年開学50周年を迎えました。本学は，あるべき未来を構想しその実現にチャレンジし，あるゆる壁を乗り越え，未来の共創に貢献する人材の育成と，知の創造と革新的な成果を生む総合大学として“GLOBAL TRUST”の創出を目指しています。
このような背景のもと，今回の本学における学会大会では，「コーチング学の進化～過去のビジョンと現状からとらえる未来への潮流～」をテーマに掲げました。大会テーマの選定につきましては，企画の先生方と何度も議論を重ね決定したものになります。会長のご挨拶にもありますように，日本コーチング学会における本学での開催は2014年の第25回大会以来となりますが，実はこの時も「未来」をテーマ（コーチング学の未来へ）に掲げていました。筑波大学は未来の話ししかしない。と思われがちですが，あれから10年という年月が過ぎ，あの時思い描いた未来は現在どうなっているのか？について検証し，そしてこれから訪れる未来に対して，コーチとコーチング学研究者はどう向き合っていくべきなのか？などについて議論したいと考えています。
具体的には，基調講演において，「過去に想い描いたコーチング学の10年後の未来と現在との比較」，学会企画シンポジウムにおいて「コーチングを取り巻くモノの変化 ～コーチング学とコーチの今後に影響を及ぼすモノ～」を企画しました。シンポジウムでは，Artificial Intelligence（人工知能）やデータサイエンスの観点から，コーチとしてどのように活用すべきなのか？AIリテラシーなるものが存在するのか？また，コーチング学者として，研究手法や内容がどう変わっていくのか？などについて議論したいと考えております。
また，今回は，コーチング学会副会長，国際委員会担当の遠藤俊郎先生コーディネートのもと，海外招聘特別講演として，Mr. Kiattipong RADCHATHGRIENGKAI（キアッティポン・ラチャタグリエンカイ）氏をお招きし，「国際競技力を向上させる⻑期的なビジョンとコーチング：タイにおけるバレーボールを例に」というテーマでご講演して頂きます。
最後になりますが，本大会を開催するにあたり多大なるご尽力とご支援をいただいた関係者各位，お忙しい中，時間を割いて頂きましたパネリスト，コーディネーター，演者の方々に対し，心より感謝申し上げると同時に，より多くのご参加を心よりお待ち申し上げております。
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